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独逸発! あや太郎新聞

欧州での9年に及ぶ様々な経験を得意の毒舌を生かし、斜め左から書き綴っていきたいと思います。そして私が小学生のころ、学級新聞として書いていた「あや太郎新聞」をここで復活させたいと思います。

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ヒッチハイクで移動する・・・というと、流石に友達たちは

「マジで?!」

とびびる。それは道端で手を挙げて車を止めるイメージがまずあるからだが、最近のヒッチハイクはインターネットサイトで出発地と行き先を入れると、同じ順路を移動する車を探し出してくれるシステムになっている。

ドイツではMitfahrgelegenheit というキーワードでこんなサイトを見つける事が出来る。

それでも「危険じゃないのか?」とよく言われる。私もそう思って流石に今まで利用してこなかったが、一応、そこに載せている車の運転手たちには、免許証のナンバーや住所などを登録しなければならない義務があるそうである。だから大丈夫だと言う人もいるが、世の中、何が起こるかわかったもんじゃないから、それで大丈夫だとは流石の私も考えない。

だから流石に友達には勧めないが、これ程安い移動手段も他に無い上に、荷物が多い時は電車の乗り換えが多いだけでも相当疲労してしまうので、なんだかんだと使ってしまう事がある。

例えばスイスまでフランクフルトから15ユーロで行けてしまったりするから、一度上手く行ってしまうと止められない。

それでここ最近、よく利用していたのだが、流石にここに来て「そろそろやめようかな・・・」と思う事態があった。

ベルギー・ブリュッセルに用事があり、それもギリギリまで行くかどうか悩んだのだが、最後になって行く事にして、やはり乗り換えが多いのを危惧してヒッチハイクを選んだ。

そういえば同じく、ヒッチハイクサイトをよく利用している友達に、

「どう?危険だった事とか無かった?」

と昔、聞いた時に、

「でもまあ、直接電話して交渉する時の声の感じとかで判断も出来るし」

と答えていた。それは何気に一理ある様で、この時、電話の声の感じで一瞬「?」とは思ったのだった。
多分フランス語なまりなのだが、なんだか切れの悪いしゃべり方をする人だった。

当日、待ち合わせ場所の空港のターミナルに出向いたが、目印のマクドナルドが移転してしまっていて見つけられなかったので、電話しながら探すと、人がいっぱいいる辺りで手を振る人がいる。

それが今回の運転手だった。

おそらくアフリカ系の人で、不思議にも最新型のBMWに乗っていたのに驚いた。
こんないい車持ってるのに、乗り合いにしてガソリン代をケチらなければいけないとはどういう事情なのか。

まわりにはインドかパキスタン系の人がいっぱいいて、どうやら別の乗り合いの人の見送りに来たらしい。

そのうち二人が乗り込み、もう一人アフリカ系の人が前に座り、我々はキチキチの5人乗車で出発する事になった。

今まで乗り合いを利用する場合、車の持ち主もガソリン代を割り勘にしたいくらいだから、そんなにいい車に乗った事は無かったのだが、流石にこの最新型のBMWの乗り心地は素晴らしかった。まるで滑る様に道路を走りだした。

運転中の電話も、携帯電話を車に差し込むと、フリーハンドで運転席で通話できるようになっている優れもの。

それでしばらくいい気になっていたが、いい天気だった事もあり、しばらくすると少しウトウトしてしまった。隣にいたインド人二人の英語が出来る方が、

「なんか君、疲れてるみたいだね。」

と言っていたが、彼らもしばらくするとウトウトしだした。

私は楽器を持っていたから、流石に寝る訳にもいかないと思いつつ、ウトウトしていたが、ハッと何か第六感に嫌なものを感じて起きて前を見た。

胸騒ぎがするが、何が原因か初めはわからなかった。

しばらくすると、このBMWがなんと1車線を160キロで走行中だと言う事にまず気がついた。

有名だからご存知の方もあるかもしれないが、ドイツの高速道路は制限速度が無い。
大体3車線なって、3車線目は大型トラックやバスが走っているが、1車線目などは追い越しをかける時に使う飛ばし車線で、ごくまれに、ウィンカーを片方だけ出しっぱなしにして、この1車線目を爆走するクレイジーな走り屋がいたりして、普通のドライバーの恐怖となっている。あのつきっぱなしのウィンカーは

「誰も俺の邪魔をするな!」

という意味らしい。

しかし、このBMWはまさにそういう車だった。

前に遅めの車が立ちふさがると一気に車間距離を縮めて真後ろまで迫る。
ビッタリ後ろにBMWにくっつかれた車は大概、恐れをなして2車線目に移っていく。

気がついて前を見ると、この運転手はそれを繰り返していた。
危ないなんてもんじゃない。車間距離が短すぎて、万が一、前の車が急ブレーキでもかけたら、衝突するのは目に見えている。

160キロもすごい。前に車がいなくなった途端、カーヴの多い地帯にも関わらず、一気に速度を上げる。

それでも制限速度が無いのはドイツだけで、国境さえ超えれば120キロか130キロのはずだから、とにかくベルギーかオランダの国境に近付くか、渋滞に巻き込まれる事をこの時ほど望んだ事は無い。

そうこうしていると、国境が近付いてきたらしく、オランダ・ナンバーの車が増えてきた。

しかし、オランダ人はどうも鈍い人が多いのか、楽天的なのか、大概、1車線で前に立ちふさがって中々どかない車はオランダ・ナンバーなのだ。

遂にこの運転手も切れ出したのか、ウィンカーを無いはずの左側(右側通行で1車線だから)に出しっぱなしにしてほとんど無い車間距離をさらに詰めた。

まさにクレイジーだ。

そこまでされると流石のオランダ人も関わりたくないから退くのだが、こちらは生きた心地がしなかった。

とにかく、乗っている間中、無事にブリュッセルに着くように神に祈っていたが、隣のインド人は平気なのかすっかり寝入っている。

「お前もヴィシュヌかシヴァにでも祈れ!!!」

と思ったが、気づかないのは得である。

そうこうしているうちに車はオランダに入り、そこからベルギーにまた入った。

しかしどうも140キロは出している。
もうこうなったら渋滞を望むしかない。

それにしても後部座席で3人はいかにも狭いし、命の保証は無いし、今回のヒッチハイクは最悪だ。
ここに来て私は、もう余程、事態がひっ迫しない限り、この移動手段は避けた方が良い・・・と悟に至った。

聴く所によると、飛行機で起こる事故の何倍も車の事故で死ぬ確率の方が高いそうではないか。(こう思っていつも格安航空機を利用している。)

節約出来たとしても、命には代えられない。

そのうちに車はブリュッセルに近づき、有名な渋滞に巻き込まれた。
ここに来て本当に安堵に胸をなで下ろした。

確かに乗り換えを3回するよりは、体力的には楽だったが、下車した時、精神的にぐっと疲れを感じ無い訳にはいかなかった。



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