独逸発! あや太郎新聞

欧州での9年に及ぶ様々な経験を得意の毒舌を生かし、斜め左から書き綴っていきたいと思います。そして私が小学生のころ、学級新聞として書いていた「あや太郎新聞」をここで復活させたいと思います。

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なんだかんだと本業はネタにしてこなかったのだけれども、運動不足への反省とネタ不足のために敢えて触れてみる事にしました。

時をさかのぼる事、5月の中旬ぐらいに私は古楽とパンクのコラボレーションによるヘンデルのオペラ・プロジェクトに参加していた。

中々面白い演出で、宮殿という細長い空間を上手く利用してお客さんと密着した舞台を設置し、古楽器を使いつつも衣装はパンクという斬新な発想。

20代を中心とする若いオーケストラで、ビジュアル系の外見の人も多く、パンクの衣装が皆、やたら似合っていた。

舞台のクオリティは高かったが、やはり昨今の厳しい事情を踏まえてなるべく経費は削減したかったらしい。

まず電車賃削減のために、なるべく一番安いチケットを買わないといけなかった。

ドイツ鉄道の出している特別割引乗車券みたいなものはあるのだが、私はそれだと時間や電車を確定しないといけないのと、移動距離が結構あるのに高速特急のICEでは無く、快速のIC特急に乗って中々遠回りをしてたどり着く事になるのが流石に嫌だったので、交渉してバーンカード50という割引でのチケットにさせていただいた。

やはり行ってすぐにプロジェクトが始まる状態で、長い移動があるだけにあまり無理はしたくなかった。

さらに私は助っ人メンバーだったので、他のメンバーの様にベルリン在住ではない為、ベルリンではプライベートで宿泊先を探して欲しいという話になって、友達の所にお世話になることになった。

昨今の芸術関係の実情は実際に厳しいことだし、私も協力できることはなるべくしたかった。
ベルリンで練習を重ね、さらに全員でハノーファーに移動。ここでオペラの本番をする訳だが、プロジェクトが始まる前にオルガナイズしている人から一斉送信で

「公共の移動機関を使うよりも自転車を借りた方がすこぶる経費の削減にもなるし、5月でいい季節だし健康にもいいので皆さん、自転車でホテルから仕事場のレジデンスまで移動しませんか?」

というメールが来た。

それもいいかな?と私は自転車通勤を選んだ。どうもオルガナイズしている人がアムステルダム出身らしい。
何しろ自転車王国オランダから来たからこういう発想が出てきたのだろう。 中々素敵である。

それで初日に駅の近くの貸し自転車屋さんに自転車通勤を選んだオケのメンバーが全員集合して、そこから借りた自転車で、みんなで一列になってオケの練習場所のレジデンスに向かって出発したのだった。

これは壮快な眺めであった。20人くらい、1列になっての自転車移動だ。
さらに季節は5月で新芽の時期の美しいハノーファーを走り抜けるのは中々爽快だった。

欧州では右折や左折する時に、手を右や左に差し出して後続の自転車や自動車に方向指示しなければならない交通ルールがあるが、オケのメンバーが一列になって一斉に方向指示出したりするもんだから、後ろの方から見るとかなり面白かったらしく、後列から笑い声が沸き起こった。

コントラバスやテオルベの連中は元々楽器が大きすぎて自転車移動が出来ないのもあるが、それ以上にそもそも奴らは動くのが嫌いなタイプが多い様だ。
楽器を練習場所に運びこんでからも、あまり自転車族には加わらなかった。普段の楽器移動で疲れているのかもしれない。(チェロは楽器を運び込んでから二人とも自転車族になった。どうも人種が違うようだ。)

そういう訳で、それから毎日、朝晩8-10キロの自転車通勤。

これが結構きつい。

みんな結構スピードを出すので、ついていくので精一杯なのだ。
だんだん置いて行かれて死にそうになりながら追っかける事になる。初めは道順を覚えていなかったから、はぐれない為に必死だ。太ももにどんどん乳酸がたまっていく感覚がわかった。

しかし5月の新緑の中を、貸し自転車屋さんの手入れの行き届いたクオリティの素晴らしい自転車で街を走り抜けるのは実際、ものすごくいい気分だった。自転車はアルミ製で車体がものすごく軽く、5段変速の、今まで私が乗った中で最高の自転車だった。

後で自転車屋さんに自転車を返す時に

「こんないい自転車乗ったの初めて!」

と言ったら、どうもある程度時期が来たら中古にして売り払って新しい自転車に買い換えるそうで、その時期になったら連絡したら売ってくれるとの話だった。これには結構心が動いた。

ちなみに私の住んでいる街に比べてここハノーファーは緯度が高いから日も長くて、練習後に21時過ぎになってもまだ日が残っていてうっすら明るい中、自転車で帰り道を急ぐことが出来た。

仕事といっても座りながら吹いたり、小節数を勘定するわけで運動不足になりやすい職業だから、行き返りにこうやって運動するのは非常に健康的だといえる。

そして毎日の自転車通勤で太ももに筋肉がついてきているのがわかるから、これで私のひどい低血圧もかなり改善することは間違いない。

お陰で私は今までものすごい運動不足だったのを痛感した。
一日目にホテルに戻ってからの筋肉痛は凄まじかった。それも毎日積み重なって来る。
しかし嬉しいことにそのホテルが個室でバス付だったので、帰り道にバスソルトを買っておいて寝る前にゆっくり湯船に浸かることが出来た。

それにしても、随分と節約熱心なオルガナイズにも関わらず、それでもホテルだけは個室を取ってくれたのは真剣にありがたい。

以前、別の団体のプロジェクトで、同室のヴァイオリンの女が眠り込むと尻の穴が緩むらしく、夜中に爆音で放屁するのでよく眠れなかったことを思い出すとまさに天国だ!!。 あの時は

「狩猟民族は女でも放屁の大胆さまでレベルが違うのか・・・・」

と眠れない夜に思い浮かべたものだった。

大体1週間ほど毎日自転車通勤をして、健康になって帰宅したつもりだったのだが、その後に私はすぐに風邪をひきこんで寝込む羽目になった。

どうもその前から移動ばかりで疲労が限界に達してしまっていたらしい。

せっかくついた筋肉もそこで元に戻ってしまったようで後日、とても悲しかった。

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